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さいしょに

大学を休学し、社会から取り残された私は生きて行く術を見つけるため、言葉を扱うことに決めた。文章を書くのは小学生の頃から得意であったように思う。言葉が好きとか、国語が好きとか、まして表現することが好きだとか言うんじゃない。ただ自分が発信する言葉に格別のこだわりがあったのだ。夏休みの作文に卒業文集、こだわって書いた。自分が良しとする人間に自分がなれるように、文章の中で演じた。将来の夢、私は人の心を動かせる人になりたい。心の底からそう思っていたという自信がもうない。先生に対して、仲が良かった友達に対して、あるいは両親に対して、自分の鉛筆が描いた光景を見る全ての人に対して、理想の世界で踊って見せたのだ。ゆえに卒業文集は私が書いた最初のフィクションだ。それでもしかし、もし私の生涯が、その一瞬の輝きの中に見る人を捕えることが出来たのなら、フィクションは現実のものになるだろう。そして言うのだ、夢はかなった。

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